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波奈之丸天井画 背景の截金(きりかね)

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波奈之丸(なみなしまる)天井画には、描かれた草花の背景に截金(きりかね)が施されています。截金は切金とも書き、文字通り、金箔を竹刃で細かく四角や糸状に切断して、画面に蒔いて貼りつける手法です。それによって天井画はさらに煌びやかな雰囲気を醸し出します。

そこで用いられている金箔の大きさは、小さなものが1~2ミリとかなり小さいので、金箔を細かく切断していく難しい技術が必要となります。それも大量に蒔かれているので、作業に掛かる時間も膨大で さらなる根気が必要となります。

2021年春、熊本城の天守閣復旧に合わせて、この度 同手法で復元する波奈之丸天井画の展覧会を企画しています。ご支援いただいた方々のお陰で実現するプロジェクトです。多くの方々に喜んで頂けるよう、メンバー一同、心を込めて制作してまいります!

細川藩御座船「波奈之丸(なみなしまる)」天井画復元プロジェクト

~熊本城の復興に花を添える~

熊本城 早朝 3

三年前の熊本地震の際、熊本城の壊れ行く様を見て、熊本のために何かしたいという気持ちが心の底から強く沸き上がってきました。そして、これまで学びの画題として長年取り組んできた細川藩御座船「波奈之丸(なみなしまる)」天井画の全171枚完全復元と展示公開の案が思い浮かびました。もしそれが実現できれば、地震で傷ついた熊本城や復興に努力している熊本の人達に力と安らぎを与えられるのではないかと考えました。 

文化財を活かすには

【 試 作 】

⑫波奈之丸天井画9枚a

波奈之丸舟屋形は、幸いにも地震による目立った被害はありませんでしたが、天井画においては経年劣化による顔料の剥落や退色が進んでいました。地震後、九州国立博物館で剥落の進行を抑える処理がなされ、天守閣から熊本博物館へと移され、現在は重要文化財に適した空調管理のもと一般公開されています。ただ、公開とはいっても天井画は舟屋形内部にあるため、残念ながら一枚一枚を近くで観ることは出来ません。

大絵馬の修復終わりました!

 

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岡田神社の大絵馬、修復が終わりました!もちろん古色で復元修復しましたが、絵馬に色が入ったことで、拝殿内は時代を遡り明治時代の頃に戻ったのではないでしょうか。

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修復前は、顔料が剥落し、背景に蒔かれてあった金箔銀箔は痕跡のみしか残っていなかった。

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光の具合で 背景の金銀箔が輝き武者が浮かび上がり、胡粉で盛上げた兜や鎧の金具部分は、宝石を散りばめたように金箔が輝きます。このように昔は村の中心に美しい空間が存在し、暮らしている人にとっても何だかウキウキしていたのではないかと想像します。

大絵馬修復

絵馬は杉板に描かれることが多く、そのほとんどが濃墨で線描され、その線を残しながら塗る“彫り塗り”の技法で描かれています。そのため、経年により顔料が剥落しても、板表面に線が確認できるため、顔料の痕跡を頼りに、ある程度の復元や修復が可能です。

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 【壇ノ浦の戦い】七城・岡田神社 修復後

私たちは、大切に受け継がれてきた大絵馬を遺すことによって、日本の心を繋いでいくことが出来ます。どんなに剥落が進み板が割れようと、遺す方策があることを多くの人に知ってもらいたいと願っています。 

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