波奈之丸・天井画復元模写制作 盛上げ胡粉

大型台風が接近していますが、今回は九州にとっては最悪のコース。どうか大きな被害がありませんように・・。
IMG 3675先週の水曜と日曜日が、天井画制作の日でした。コロナ禍で一時中断し、制作状況は遅れ気味ではありますが、皆で手分けしながら少しずつ進めています。現在,、葉の緑青を塗り重ねています。そして、これから花や実の部分の下塗りをしていくところです。

DSC 1443s天井画は、花や実の部分が胡粉と膠で厚く盛上げられ、よりリアリティを感じさせる工夫がなされています。 胡粉は牡蠣殻を風化させ細かく砕いて作られた顔料で、やや灰色がかった粗いものから 真白な微粒子のものまであり、ここでは粗い胡粉を膠(にかわ)で溶いて盛上げていきます。

IMG 3637s胡粉を厚く盛り上げるとその分 剥落の恐れがあるため、胡粉や膠の種類をどれにするか、何度も実験を繰り返しました。膠は、不純物の多いものから少ないもの、粘着力の強いものから穏やかなもの、様々なものを比較し選別しました。結果、盛り上げの際は彩色の時とは膠の種類を変えるようにしました。胡粉に雲母を混ぜると形がまったりするので、盛上げの形によっては混ぜない方がいいように感じました。以前 本で読んだ「腐れ胡粉」による盛上げ法は、結果が普段の方法とあまり変わらなかったことと、臭くて描き心地が悪かったのでやめました。 


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