NPOくまもと文化財プロジェクト設立について

≪未指定絵画文化財の保存≫

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神社は古来より村の拠り所として、大絵馬や天井画・歌仙絵などが奉納され、長きにわたり村人たちに親しまれ、村の求心的存在であると同時に、いわば、村の文化施設としての役割をも担ってきました。

日本全国の神社には、文化財に指定されるべき大絵馬が、何万何千と奉納されています。 しかしそれらは、江戸期に描かれたような貴重な作品であっても文化財指定されることなく、その殆んどが、経年変化に加え、昨今の度重なる地震や風水害による剥落が進み、消滅の危機に晒されています。

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現在、多くの神社において、農村の過疎化や神社を支える氏子の減少により、これら大絵馬を村の宝として護りたくとも、保存修復の予算確保が難しく、お座なりになっているのが現状です。そのような状況を鑑みて、私たちが会を立ち上げ、共に協力する形が生まれれば、この現状を変えられるのではないかと考えました。

≪模写の必要性≫

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私たちが過去に行った重要文化財「細川家波奈之丸舟屋形」天井画の復元模写の展示公開は、多くの方々に熊本の文化の豊かさと奥深さを知らしめるきっかけとなり、大好評を得ました。

そのような経験から、公開の難しい文化財を復元模写によって展示公開していく、その大きな意義を実感し、この活動を広げていきたいと思うようになりました。

関東や関西をはじめとして大都市においては、文化財の保存修復と復元模写公開の意義が理解され、多くの市民がその恩恵にあやかり、日本文化の豊かさを享受し、結果、日本的価値観の継承に繋がっているように感じます。

以上の二つの理由から、これまで個別に活動してきたメンバーを中心に団体を立ち上げる決意に至りました。


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